ハカセの家★天才は紙一重?
ハッピーホームデザイナー、今日の依頼主はブタの【ハカセ】
希望内容は『ヒミツの研究室』です。
研究が何より好きな息子のため、ご両親の依頼で離島に研究室を建ててから早1年。 ちっとも実家に帰ってこない息子を心配した両親から、様子を見てきてほしいと頼まれました。
「ハカセさ~ん、おじゃまします」
ピカッッ ゴォオオオオオオオ
ドアを開けたらいきなり機械が作動し始めました。これは……殺菌する装置??
全身キレイに除菌されるとようやく研究室への扉が開きます。
「ハカセさ~ん、お久しぶりです。お元気ですか」
「あれ?*まりの*さんにそっくりな人、でアール!」
「本人ですよ~! ハカセさん、ご両親が心配していらっしゃいます」
それにしても、建物と内装はお手伝いしたけれども研究の装置は初めて見ました。
ハカセさんここでいったいどんな研究を……? 後ろのアレは何かの骨格でしょうか??
これ、生きてるのかな? 人工うんちゃら、バイオなんたらで……研究の説明は聞いたけど、内容はさっぱりわかりません。
危ない研究じゃないといいけど(^∇^;)
とりあえずちゃんと生活していらっしゃるか お部屋を見せてください。
「父ちゃん母ちゃんの心配症は相変わらず、でアール!」
地下へ続く階段を下りていくと
そこはハカセさんのプライベートルームです。
「ちゃんと片付いている、でアール!」
冷蔵庫に電子レンジ、研究でお忙しいのか自分で料理はしないみたいですね。
一応栄養のバランスは考えてメニューを決めているそうです。
「ベッドは普通だけど、マットレスは低反発にしたんだ。よく眠れるでアール!」
見えないところにこだわって贅沢するとは、さすがボンボン。
ちなみに消火器は万が一火が出たときに研究を守るためらしいです。ハカセさん本当に研究命!なんですね。
「せっかく遠くから来たんだからジュースでも飲んでいってよ、でアール!」
って出されましたが……これビーカーじゃないですか!
「あ、母ちゃんに言われた体操ね…もちろん毎日やってるよ! ほらオイッチニ!!」
──やってませんよね。バレバレです。ご両親が心配なさるハズです。
「ご両親にはうまく言っておきますから、健康には気をつけてくださいね。閉じこもってばかりいないで、陽の光も浴びてください」
「……(どうしてバレた、でアール!)」
と言ったものの、この島 雨ばかり降る島なんでした。ハカセさん、太陽を浴びてないせいで顔が青白いです。
「たまにはご実家で日光浴なさってください。きっとご両親も喜ばれますよ」
「わかった、でアール!」
『実家かぁ。帰るのは来週…いや来月、いっそ夏休みでもいいかな、でアール!』
過保護な両親からやっと独立して手に入れた自分の城。ハカセさん、ここが一番落ち着くのにめんどくさいって思ってる様子。どうやら とび森の世界でも 親の心子知らず みたいです。